« 必要な早朝の寒さ対策 | トップページ | 研究会の恩恵:重要な加筆・修正の絶好の契機 »

2005年12月15日 (木)

思わぬ副産物:補論を脚注に変更して論文が進捗

本欄の11月19日付の記事で、ハイエクの文化的進化論をめぐる最近の理論動向については、第三章に「補論を加える」という形で書く方針を立てていたが、今日、執筆作業をしているうちに、自然と、補論ではなく、「脚注を加える」という形で、きれいに収まってしまった。

実はこの作業は、思わぬ副産物だった。というのも、今日は今週の土曜日にある研究会で研究報告をすることになっていて、それに備えて、博士論文草稿の後半部分を基に報告レジュメを作成しているうちに、自然とこの草稿自体にも、書き加えていくことができたからである。

実を言うと、最近は少し焦っていた。というのも、早朝の寒さのために論文作業が進まなかった一方で、授業の準備だけではなく、現在とみに多用になってきた、私の勤務大学の学内学会での庶務の仕事(私は庶務委員の一人である)とで手一杯になっていて、論文の執筆にまで中々手が回らなかったからだ。

脚注において出典を示すだけの単純作業がずっと続いていたのだが、「補論」を新たに書かなければ…と思った途端、早朝の寒さも手伝って、朝早くに起きられないでいたため、ずっと滞っていたのだった。

ところが今日は、木曜日で私の担当授業がないのを幸いとして--私は木曜日を「研究日」として勤務大学に申請させていただいている--久しぶりに夕方から夜にかけて、論文の仕事をした(その代わりECCの時事英語レッスンは休ませてもらったが…)。明後日に迫った研究報告のレジュメのメドをつけるために仕事を始めたのだが、その副産物として博士論文そのものの執筆も進められたことは、思わぬ収穫であった。

そもそもの段取りとしては、この「補論」を仕上げてから、悠々と研究報告レジュメを作るつもりだったのだが、それが滞っている中で、研究会の日が迫ってきたので、やむをえず段取りを入れ替えて、レジュメの作成から始めたのである。それが論文自体の進捗にもつながったので、大変うれしかった。

私がこのように喜んでいるのは、ハイエクの文化的進化論をめぐる最近の議論動向をまとめることが、大きなヤマとなっていたからである。このヤマが、今日、思わぬ副産物としていつの間にか越えられたことは、大変重要な進展であった。

とはいえ、他方では、多用な中でも、合間の時間を縫って、最近の動向を知るための文献をコツコツと消化してきたことも、今日の成果の大きな要因だったと思う。

今日は、論文に取り組む時間も、いつもの早朝ではなく夕方から夜にかけてであったという意味でも、思わぬ収穫であった。たとえ早朝の時間を利用することがよいことであっても、それだけにこだわる必要はないということなのだろう。

何はともあれ、今日はうれしい日であった。これからも頑張ろう!

|

« 必要な早朝の寒さ対策 | トップページ | 研究会の恩恵:重要な加筆・修正の絶好の契機 »

コメント

一つ付け加えておくと、本欄11月19日の「脚注作成の大きな山」と題した記事で言及した、コルドウェルの_Hayek's Challenge_に加えて、最近のハイエク文化的進化論についての研究動向を知ることのできる重要文献として、次の書物を手にいれ、脚注作成のために必要な部分を、私なりに消化・吸収できた:

Roger Koppl (ed.), _Advances in Austrian Economics vol. 7: Evolutionary Psychology and Economic Theory (Jai Pr., 2004)

この本の後半にSymposium on Group Selectionと題されたパートがあり、そのなかでも特にD. G. Whitmanによるその巻頭論文を重要文献として消化し、脚注に反映させた。

この論文は、方法論的個人主義と集団淘汰論との間の緊張関係を架橋し、この両者を両立可能かつ相互に補足的なものとみなそうとする試みである。

それ自体大変興味深い試みだが、私の見るところ、このホイットマンの論文も、ハイエクにおける方法論的的個人主義と集団淘汰論との緊張関係を解消できてはいないように思われる。

この私の議論の詳細については、博士論文に譲るほかはないが、いずれにせよ、この文献によって、このトピックにおける最新の理論動向を知ることができたことは、そしてそれを私なりに消化・吸収し、その成果を脚注に表現することができたのは、大きな収穫であった。

山中優

投稿: 山中優 | 2005年12月16日 (金) 11時26分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 必要な早朝の寒さ対策 | トップページ | 研究会の恩恵:重要な加筆・修正の絶好の契機 »