« アクセスカウンターを追加しました | トップページ | 道路公団民営化をめぐって(4) »

2006年5月16日 (火)

道路公団民営化をめぐって(3)

NHKスペシャルで取り上げられていた「中日本高速道路株式会社」の場合、建設すべきかどうかが問題となっていたのは、第二東名、舞鶴若狭道、それに中部横断道の3つの路線である。

○第二東名
そのうち、第二東名は採算性が最も高く、総合評価もAランクとされ、新会社の手で建設すべきことで新会社経営陣の意見はすんなりと一致した。

ところが、後の2つ(舞鶴若狭道と中部横断道)は、双方ともに採算性の評価が最低のeランク、総合評価も最低のCランクとされたため、新会社の手で建設することは困難だったのである。

○舞鶴若狭道
この2つのうち、舞鶴若狭道(福井県)については、しかしながら結局、原子力発電所があるという特殊事情が考慮され、新会社の手ですべて建設されることが決められた。舞鶴若狭道は50kmが未開通、その建設費用は2300億円であり、この未開通区間の料金収入だけで建設費用を賄うことはきわめて難しいとされていたが、その沿線に原子力発電所があり、防災上、高速道路は不可欠との理由から、採算性を度外視して新会社が建設すべきとされたのであった。

○中部横断道
また、中部横断道(山梨県)について攻防が繰り広げられたのは、新会社と新直轄方式とを併用するとして、それでは一体、どの路線を新直轄方式で建設するかをめぐってであった。

素直に考えるならば、新会社が採算性の低さを理由に建設できないとした路線を、そのまま新直轄方式で引き受ければよいということになる。しかし、実際はそう単純に事は運ばなかった。というのも、山梨県の財政事情が大変厳しいため、山梨県としては自らの費用負担がなるべく少なくなるようにしたかったからである。

もっと具体的に説明しよう。問題となったのは、【①富沢-②南部-③六郷-④増穂】の路線である〔①~④の番号は説明の便宜上、山中が加えた〕。

中日本高速道路株式会社の案では、①富沢-②南部は新会社が建設するが、②南部-③六郷-④増穂は新直轄方式で建設してもらいたいというものだった。

ところが、山梨県の原案では、②南部-③六郷間のみを新直轄でというものだった。新会社の案だと山梨県の原案よりも100億円、山梨県の負担が増えることになる。山梨県としてはそれは何としても避けたかった。

そこで、山梨県は自らの原案では②南部-③六郷間のみだったのを、①富沢-②南部をも新直轄に加え、新会社の原案よりも新直轄の路線を3km短くすることによって、山梨県の原案よりも40億円の負担増は引き受ける。その代わりに、残りの③六郷-④増穂は新会社の手で建設させたいと山梨県は考えたのである。

つまり、

山梨県の原案 :      ②南部-③六郷       を新直轄で

新会社の原案 :      ②南部-③六郷-④増穂 を新直轄で

⇒山梨原案よりも100億円の負担増

山梨県の譲歩案:①富沢-②南部-③六郷       を新直轄で

⇒山梨原案よりも40億円のみ負担増

--というわけである。結局、新会社はこの山梨県の譲歩案を呑まざるを得なくなったとNHKスペシャルは伝えている。

《続く》

|

« アクセスカウンターを追加しました | トップページ | 道路公団民営化をめぐって(4) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« アクセスカウンターを追加しました | トップページ | 道路公団民営化をめぐって(4) »