« 環境破壊に強いられた市場移行:ツバルの場合 | トップページ | 授業関連の時事問題記事を中断します:試験勉強に全力を! »

2006年6月20日 (火)

新たに英和辞典を購入

つい最近、新たに英和辞典を1冊購入した。新しく英和辞典を買うのは、ずいぶん久しぶりである。

新しく買ったのは、もちろん、英和辞典を持っていなかったからではない。書物形式のものも、電子辞書も、すでに持っていた。にもかかわらず、今回、新たに英和辞典を買ったのは、それがある新しい考え方のもとに編まれた、新しいタイプの英和辞典だったからである。

それは、田中茂範ほか編『Eゲイト英和辞典』(2003年、ベネッセコーポレーション)という辞典である。この辞典の面白いところは、基本語や多義語の中核的な意味(すなわちコア)の解説に重点を置いているということである。すなわち、そのコアイメージをイラストで図解して、視覚的に分かりやすく解説しているということである。

たとえば、short という単語を取り上げてみよう。私たちはこの語を「短い」と覚えてこなかっただろうか? しかし、この辞典によると、この「短い」という訳語は、short という英単語のコアを正しく捉えていない。それが証拠に、「短い」と覚えていると、次の英文の意味が分からないことになる:

We need eighty dollars, but we're still five dollars short.(80ドル必要なのだが、まだ5ドル……さて読者のみなさんは--とくに学生諸君に聞いてみたいのだが--どう訳すと思いますか? ちなみにこの例文は『Eゲイト英和辞典』p. 1518に掲載されている)

この最後のところを「5ドル短い」と訳してしまうと、わけが分からなくなるだろう。それでは一体、これはどう訳すべきなのだろうか?

実は、これは「5ドル足りない」という意味になる。どうしてこういう意味で short が使われるのだろうか?

『Eゲイト英和辞典』によると、short のコアは、「短い」ではない。そうではなくて、「(平均値・基準値・期待値に)届かない」というのが、この単語のコアである。そこから、「(長さや時間が)短い」という意味も出てくれば、「(数値・期間などが)不足の」という意味も出てくることになる。

この short のようなきわめて基本的な単語であればあるほど、その意味は(恐ろしいほどに)たくさんある。ためしに、go や come や run といった動詞を調べてみると、本当にたくさんの意味が辞書には載っているはずである。それをただ機械的に暗記しようとしても、到底覚えることはできないし、仮に覚えることができたとしても、その暗記作業は苦痛以外の何ものでもないだろう。

ところが、このコアさえしっかりと理解しておけば、そこから意味がいろいろな方向に派生していくことが、ひとつひとつ納得できる。そうすれば、機械的に無理に暗記しようとしなくても、自然と頭に入っていくことになるのである。

私がこの辞典のことを知ったのは、実はNHK教育テレビのある英語番組を見たことがキッカケである。それは「新感覚 キーワードで英会話」という番組である。

この番組は、take, give, get など、英語初級者でも知っている基本的で重要な単語を、目で見てイメージで理解できるように作られた、10分間の番組である。火~金の夜11:00~11:10の放送だ。私の場合は予約録画しているが、毎月出されるテキスト(定価350円)を読むだけでもいいだろう。基本単語を改めて基礎から身につけなおすのには絶好の講座だと思う。

このNHKテレビ講座の講師をされているのが田中茂範氏(慶應大学教授)であり、その田中氏の編集されている辞典が、上記の『Eゲイト英和辞典』(本体価格3100円)だったというわけである。

この英和辞典とNHK講座で、基本単語を改めて、正しいコアイメージを理解しながら身につけていくことを楽しんでいる今日この頃である。

|

« 環境破壊に強いられた市場移行:ツバルの場合 | トップページ | 授業関連の時事問題記事を中断します:試験勉強に全力を! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 環境破壊に強いられた市場移行:ツバルの場合 | トップページ | 授業関連の時事問題記事を中断します:試験勉強に全力を! »