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2006年7月29日 (土)

実りを楽しみに待つということ

「結果を焦らずにプロセスを味わう」ということを心がけるようになったせいか、最近の私は、何を見てもそのことに引きつけて理解しようとする傾向にあるようだ。今日は、農業の様子を伝えている番組を見ているときにその傾向が現れた。

その番組というのは、今日の夜7時からテレビ朝日で放映していたもので、所ジョージが若手芸能人を呼び集め、沖縄に所有する別荘の荒地に「所ファーム」を作ろう、という内容だった。現代の若者に農業や漁業の素晴らしさを伝えようというねらいがあったらしい。この番組を妻が見ているのを、私も夕食をとりながら一緒に見ていたのである。

この番組では、沖縄の別荘という特殊なシチュエーションだけではなく、東京でも野菜を育てられますよ、というメッセージを伝えるためであろうか、東京六本木のテレビ朝日の屋上で--このシチュエーションもちょっと特殊ではあるが--お笑い芸人コンビが夏野菜(なすび、トマト、トウモロコシ)を60日間かけて育てる、というプロジェクトの様子も伝えていた。

私がこの番組を見ていて印象的だったのは、畑を荒地から作ったり、夏野菜を苗から育てたり、という過程を経ることで、現代の若者である芸人たちが、とてもイキイキしていたことである。もちろん、仕事上の演出も多々あっただろうが、それでもやはり、彼らのあの喜びようは、単なる番組の演出以上のものがあったように思う。とくに夏野菜を東京六本木という都会のド真ん中のビルの屋上で育てた芸人たちがその野菜でカレーを作って食べているときの、「おいしいーっ!!」という笑顔は、本当に嬉しそうだった。

都会に住んで消費者として暮らしていると、買い物に行けば何でもすぐに手に入るから、米や野菜を育てた農家の方々の手間暇のことをあまり考えずに、ただ当たり前のように食べるだけになりがちだ。しかし、もしも自分たちで苦労しながら育てたものなら、本当においしく感謝して食べられるだろう。そのプロセスを実際に経た後だからである。そこには苦労も多いだろうが、だからこそ、収穫の喜びも増すのである。

この農業における「実りを楽しみに待つ」ということは、およそ物事すべての成就にもあてはまる大切なことを教えてくれているように思う。それはやはり、「プロセスを経るからこそ、結果の喜びがある」ということだ。都会暮らしをしていると、そういう自然のリズムからはるかに遠ざかってしまいがちであるが、作物を育てるときの時間の流れこそが、まさに自然に合ったリズムなのではないだろうか。

私の研究においても、結果をいたずらに焦るのではなく、実りを楽しみに待つという姿勢を保ちながら、日々の積み重ねをコツコツと行なっていきたいものだと思う。もしかすると、ちょっとした家庭菜園を、手軽にできるところから始めてみるのもいいかもしれない。

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