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2006年8月 5日 (土)

最終作業続行中

今日も引き続き、脚注の最終点検作業を続けている。前回の記事で「思わぬ単純ミスが予想以上にあった」というのは、たとえば細かいミスとしては、pp.179-180とすべきところを、pp.180-181というようにずらして書いてしまっていたり、pp.180-183とすべきところをpp.180-182としていたり、というものであり、この種のミスは散発的に見られる程度だったのだが、大きなものとして驚いたのは、次のようなものだった。

ハイエクの『隷従への道』という本があるが、私はこの原書を2冊持っている。どちらもシカゴ大学出版部から出されたものだが、一つは1972年の改装版で、もう一つはこの本の出版五十周年を記念して1994年に出されたものだ。いま前者を「原書A」、後者を「原書B」としておこう。

この原書Aと原書Bでは文字の組み方が異なっているので、同じ文章でも、前者と後者とでは載っているページ数が異なるのである。

ところが、今回の見直しで発見して大変驚いたのは、その『隷従への道』の参照箇所を指示した脚注で、この両者を混在させてしまっていることだった。私としては原書Bで統一させているつもりだったのだが、原書Aのページ数を指しているものも少なくなかったのである。

おそらくこれは、かつてかなり以前に原書Aを用いて書いていた論文を、今回の博士論文に部分的に組み入れたことで発生したものだ。あるときから私は原書Bの方を使うようになっており、今回もそれを踏襲しているのだが、原書Aを用いていた頃の論文を組み入れたとき、「その当時は原書Aを用いていた」という事実をスッカリ忘れてしまっていたのである。

まさかこんな間違いをしてしまっているとは夢にも思わなかったので、大変驚いたのである。つくづく、この最終点検作業を怠らないでよかったと思う。

このような思わぬ大きなミスがあったが、それ以外には、上述の細かいミスは多少あったものの、現在までのところ、おおむね、脚注で挙げている参照箇所が的確なものであることが分かり、ホッとしている。

それにしても、この最終点検作業も根気のいる作業だ。筆者の立場としてだけではなく、読者の立場に立って、一つ一つの脚注が正しく書かれているかどうか、丹念にチェックしていく。“しらみつぶし”とはまさにこのことである…。

しかし、何度も言うように、この脚注も決しておろそかには出来ない。本文での議論内容を裏付ける根拠を示す箇所であり、そういう意味では、論文の土台となる“データ”と言えるからだ。データに誤りがあっては、せっかくの論文もそれこそ“台無し”になってしまう。

登山にたとえると、今は9合目といったところだろうか。最後の最後まで気を抜けないが、根気よく一歩一歩あゆんでいき、頂上までたどり着きたいと思う。

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コメント

こんにちわ。暑いですね…。
何やら私が聞いてもちんぷんかんぷんの書物の名が出てきていましたが、難しそうですね。
日記を見させていただいている限り、点検はいつもの点検+αな感じでされているみたいですね。大変そうですね…。
私は最近体調を壊してばかりいます。親たちが肥満なのでクーラーをガンガンにつけているためです(脂肪っていう服を着すぎなんだよッ!!)。ありえないくらい寒く、夏なのに長袖を着ていたりします。今日も腹を壊して大変でした。ちなみに明日は上野のサンピアのプールへ行きます。排水溝には特に気をつけます。各地で事故が多いですからねぇ…。
先生は夏は何かご予定はありますか?

投稿: N.ゆかり | 2006年8月 6日 (日) 17時56分

N.ゆかりさん、

> 先生は夏は何かご予定はありますか?

お盆に妻の実家に里帰りします。愛媛県です。

どうぞ体調を整えて、元気にお過ごし下さい。プールではくれぐれもお気をつけて…。

投稿: 山中 | 2006年8月 7日 (月) 00時21分

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