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2006年9月10日 (日)

シャドウイングの効用

『CNN ENGLISH EXPRESS』をフル活用して英語力を上げようと毎日練習し始めていることを前回書いたが、その練習の中で「これは効果的だな…」とつくづく感心しているのが、「シャドウイング」という練習法だ。

英語の聞き取り練習をしている人にはすでにお馴染みの練習法だと思うが、これは「スクリプトを見ないで、流れてくる英語をそのすぐ後から影のように繰り返す」というもので、なかなか難易度の高い練習法である。

このシャドウイングの練習をしていて分かったことは、「シャドウイングできない箇所は、本当の意味では理解できていない箇所である」ということだ。テキストにはもちろん英文(スクリプト)も載っているから、そのスクリプトを見れば意味が一応は理解できるのだが、いざシャドウイングをしてみると、それがうまくできない箇所がいくつも出てくる。そのたびに、その箇所を繰り返し音読練習をし、意味が即座に分かるようになるまで、さらにシャドウイング練習を続けるのである。そうしているうちに、だんだんと即座に理解できる箇所が増えてくるのが分かるので、なかなかやり甲斐のある練習である。

このシャドウイングの練習をしていて、初めて認識できたことがある。それは、次の2点だった:

①聞こえてくる音を「そのまま素直に」受け取ることで初めて、聞いたときに即座に分かるようになるということ。
②シャドウイングができるようになると、英文を「読む」のも早くなり、会話で使えるようになる表現も増えるということ。

①は当たり前のことを言っているようであるが、私には新たな発見だった。英文を見て理解できたとしても、それがどのような音として聞こえてくるかを同時に理解していないと、リスニングでは対応できない、ということ自体は、前から頭では理解していた。しかしながら、これまでの私は、「なんでこの英文がこんなふうに発音されるんだ!」という一種の反発心を、ネイティヴの話す、必ずしも一字一句きちんと発音されていない、ちょっと崩れた発音に対して抱いていた。このことを、練習していくうちに、自覚できたのである。

しかしそれでは実践的なリスニング力の向上は覚束ないだろう。そうではなくて、そこはやはり、聞こえてくる音を「そのまま素直に」受け止めて、その文字と聞こえてくる音とを自分の中で一致させていかなければならないのである。そのように素直になったとき、面白いことに、聞いて分かる発音が格段に増えてきたのである。

②も私にとっては、新たな発見だった。第一義的にはリスニング練習としてシャドウイングをしているのだが、それに伴って、自然とその英文を「読む」のも早くなり、会話で使える表現も身についていくのである。たとえば、「~の進路を追う、~の動向を追跡する」というのは英語で keep track of~というが、これをたんに目で読んだときに受動的にそう理解できるだけではなく、自分でも使える表現として、自然と身についてしまうのである。シャドウイングのときに即座に理解し、後から影のように繰り返すことができるようになると、「読む」力も「話す」力も、同時に伸びるのであった。

「聞く」「読む」「書く」「話す」--これらは決して別々のものではない、ということは、頭では分かっているつもりだった。しかし、それを本当に肌で実感したのは、これが初めてだったのである。

もっとも、この「シャドウイング」というのはなかなか高度な練習法であり、その前提として必要なのは、英文を「日本語の順番に当てはめて、後から訳し上げる」のではなく、「聞こえてくる順番に、英語の語順で文の頭から情報を処理していく」というやり方に慣れておくことである。これを、『CNN ENGLISH EXPRESS』によると、「区切り聞き」というそうであるが、この「区切り聞き」に慣れておいてから、これをもっとスピードを上げて、聞こえてくる英文をその順番で次々と処理していく練習となるのが、シャドウイングなのである。

この「区切り聞き」で行われるために必要な、「英語が出てくる順番に、前から順に理解していく」ことを、まず英文を「読む」ときに私がスムーズにできるようになったのは、以前にも本欄で言及した、大西泰斗・Paul C. MacVay両氏による一連の共著のおかげであるが、ここでは特に、次の書を掲げておきたい:

『ネイティブスピーカーの英文法絶対基礎力』(研究社、2005年)1,575円

いずれにせよ、シャドウイングの練習によって、CNNのようなニュース英語への理解度が着実に上がっていっていることが実感できるのはうれしい。これからもコツコツと練習を続けていきたいと思う。

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コメント

おはようございます☆
英文を見ないで聞いた言葉を繰り返すというのは確かに難しいです。
私の場合は様々な曲にある英文をそうやって練習しています。
多分先生のおっしゃられていることとはズレてしまうかもしれません。
歌詞カードを見ないで、一旦聞こえた通りに発音してみる。そしてその文章を一時的ではなくしっかり覚えた段階で歌詞カードを見てどれだけあっていたかを確認する。もちろん合っていたならば自信がつきますし、間違っていたならば今後間違えてはいけないと注意するようになります。

多分これは英語だけじゃなくて日本語でも同様のことが言えると思います。
聞こえたとおりに考えて、後から確認すると全く違ってたならば困りますし。授業もその1つではないでしょうか。ちゃんと聞き取って(自分でまず発音)、黒板を見る(歌詞を見る)、理解して書く(正しい情報を入れる)というように思えます。

話からズレていたら申し訳ないです。

投稿: N.ゆかり | 2006年9月11日 (月) 10時53分

N.ゆかりさん、

話がズレてはいないと思います。

> 黒板を見る(歌詞を見る)

黒板に加えて、テキストが指定されている場合は、テキストでも確認するとよいでしょう。

投稿: 山中 | 2006年9月11日 (月) 13時53分

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