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2007年2月10日 (土)

温暖化と花粉症

昨日の産経新聞夕刊に、「熱波・花粉症悪化・水不足 温暖化 人命影響も」という見出しの記事が1面に載っているのをみて、ハッとした。というのも、いつもなら3月に入ってから徐々に出てくるはずの私の花粉症が、今年は何と、この2月初旬にはもう出始めていたからである。

私が花粉症になったのは、大学生の時だ。たしか20歳になった頃だったように思う。その春に急に、目がかゆくなり、鼻がムズムズし始めた。眼科や耳鼻科に行ってみると、「花粉症」と診断されたのである。それ以来ずっと、毎年春になると悩まされ続けてきた。3月になると出始め、それからだいたい5月の大型連休明けぐらいまでそれが続く-ということが毎年の“恒例”になってきた。

しかし、今年はそれが、なんと今月の7日には、もう始まってしまったのである…!2月7日は私の誕生日だから(38になった)、この花粉症スタートの異常な早さの“記録日”は、決して忘れることがないだろう。

冒頭に挙げた記事は、IPCC第2作業部会の第4次報告書案の内容を伝えるものだった。第2作業部会というのは、第1作業部会の科学的な温暖化予測を受けて、その社会経済的影響を予測する部会である。それによると、海面上昇による海岸浸食が起きた地域があるなど、温暖化の影響が自然環境面だけではなく人間生活面でも顕在化しつつあることを第3次報告書以上に踏み込んで指摘しており、新たな現象として、欧州やアジアで熱波によって人命が奪われたり、北半球の中緯度地域で花粉の量が増えて、アレルギーが広がっていることが挙げられているという。これまで温暖化の影響は発展途上国や小さな島国に最も深刻な打撃をもたらすとされてきたが、異常気象や熱波の被害は先進国でも避けられないというわけである。

同報告書案によると、今後も化石燃料に頼り、高い経済成長を重視する社会が続けば、2050年頃には気温が1990年比で2~3度上昇し、生物の20~30%が絶滅の危機にさらされ、水不足に見舞われる人口が最大20億人増える。2080年頃には3~5度上昇し、水不足人口が最大32億人増加、世界の5人に1人が洪水の影響を受ける恐れが出てくる。異常気象によって農業にも大きな影響がもたらされ、食糧不足で飢餓に悩む人口も最大で1億2000万人増える可能性があるという。

何とも不気味な予測だが、これは「今後も化石燃料に頼り、高い経済成長を重視する社会が続けば」という前提のもとでの予測である。だから、それを大きく転換し、温室効果ガスを出さないクリーンで再生可能な自然エネルギーに基づいた社会を形成していけばよいのである。

今年は、早くも外出するときにはマスクをしなければならなくなったが、花粉症程度なら、まだ水不足や熱波、飢餓などで命の危険にさらされるよりは、ずっとずっとマシだと言うべきであろう。花粉症程度でとどまっているうちに、それを重要な兆候と受け止め、さらなる温暖化防止のために真剣に取り組まなければならないと決意する誕生日を、今年は迎えたのである。

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コメント

山中先生へ

お誕生日おめでとうございます。

僕はひどい花粉症ではありませんが、ひどい鼻炎なので秋から冬は鼻水に悩まされいます。でも子供の頃はもっとひどかったので感謝すべきなのかもしれません。

花粉症と地球の環境問題というのは以前ニュースで見たことがあるのですが、結構関係があるようですね。というか日本人の花粉症は戦後の現象らしいですね。文字通り杉を開発で植えすぎたらしいですね。

環境が壊れているのは本当にニュースで見るたびに憂鬱になります。
とは言っても自分の日常生活や人生にどのように関わってくるのだろう、ますます暗くなってくる・・・・という思いで見ていることが多いです。

ちなみに僕は「カラマーゾフの兄弟」の熱烈なファンなのです。その中でもスメルジャコフはお気に入りのキャラの一人なので・・・
でも現代社会を見ていると世界をうずまく格差社会などを見ていると、ゾシマ長老の言っていたことが当たっているような気がしてなりません。

投稿: スメルジャコフ | 2007年2月11日 (日) 01時47分

スメルジャコフさん、

> お誕生日おめでとうございます。

ありがとうございます。

> 環境が壊れているのは本当にニュースで見るたびに憂鬱になります。とは言っても自分の日常生活や人生にどのように関わってくるのだろう、ますます暗くなってくる・・・・という思いで見ていることが多いです。

たしかに、暗くなってしまいがちですね…。でもこの世に生まれてきた以上、やっぱり、自分の住むこの世界を、少しでも住みよい世界にしていきたいという思いを、38回目の誕生日を迎えて、改めて強く持ちました。

地球環境問題はたしかに地球規模の巨大な問題ですが、その原因の大きな部分は、1人1人の日常的なライフスタイルから来ています。「ちりも積もれば山となる」と言いますが、まさにそうなのです。ですから、その「積もり方」を、1人1人が良い方へと変えていけば、それは大きな力となるはずです。

ですから、まずはお互いに身近なところから、ライフスタイルを少しずつ見直してみませんか? 案外、できることはたくさんありますよ。レジ袋を断るためにマイバックを持ち歩くとか、割り箸を使わなくて済むように“マイ箸”を持ち歩く、なんていうのはどうですか?

『カラマーゾフの兄弟』は、私もかつて熱心に読みました。ゾシマ長老とアリョーシャの師弟関係が美しいですよね。「大審問官物語」には大いに考えさせられたものです。

投稿: 山中 | 2007年2月11日 (日) 22時21分

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