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2007年3月 9日 (金)

「不都合な真実」が呼ぶ静かな反響

アメリカ元副大統領のアル・ゴア氏が地球温暖化の深刻な現状をリポートする映画『不都合な真実』が、米国のみならず日本でも静かな反響を呼んでいることを、昨日の産経新聞夕刊が1面で伝えていた。それによると、米国では昨年計77館のみの上映だったのが、現在では600館にまで拡大しており、日本でもいくつかの映画館が上映期間の延長を決めたり、新たに上映を決めたりしている。日本での興行収入は3月8日現在で2億9千万円にのぼっているのだという。

映画の公開に合わせて日本で1月に発行された同名の書籍も、ノンフィクションとしては異例の売り上げを記録し、堅い内容で値段も高価(2800円)であるにもかかわらず、先月末までのわずか1ヶ月間で発行部数15万部を突破した。先月26日のアカデミー賞受賞後には全国の書店から問い合わせが殺到したため、発行元のランダムハウス講談社は18万部までの増刷を決めたという。通常、環境問題を扱った書籍は女性層の人気が高いのだが、同書の場合は購入層の約7割が男性で、30~40代のビジネスマンが中心なのだそうである。

このように静かな反響を呼んでいるこの映画を、しかしながら、実はまだ私は見に行っていない。というのも、これまでの私には映画館に足を運んで見に行くという習慣がほとんどなく、むしろテレビでの上映かDVDの販売を待つ、というのがこれまでの私のスタイルだったからだ。それに、その映画で伝えられているのは、昨年放映されたNHKスペシャル「気候大異変」(全2回)と似たような内容だろうと思っていたので、その推測が正しいのだとしたら(正しいという保証はないが)、少なくとも私にとっては内容自体にあまり新味はないだろう…、と思っていたからである(「NHKスペシャル 気候大異変」の内容については、本欄の2006年5月30日6月4日同5日同6日の記事を参照)。

しかし、これだけ反響があるのだとすれば、私も見に行かなければならないかもしれない…と思い始めた。というのも、この映画を見に行った学生も私の授業に出てくる可能性を否定できないからだ。私の担当する授業科目の1つに教職課程の「総合演習」があるが、そこで私が取り上げているのは、他ならぬ地球温暖化問題である。これまでは、受講学生は地球温暖化にあまり大きな関心を持っていないことが多かったので、それを前提にして、まずは受講生たちの関心をかき立てることから授業を始めるのが常だった。しかし、これからは、この「不都合な真実」を見た学生も中には出てくる可能性もあるだろう。そうだとすれば、教員である私も、見に行っておかねばなるまい。

とはいえ、かつて小学生の頃に父や兄に連れられて映画館に行ったことはあるものの、自分から進んで映画館の上映期間を調べて行ったことは、これまで2~3回ぐらいしかなかったうえに、それはもう20年以上も前のことである。だからまずは、どの映画館で放映しているかをどうやって調べればよいのか、ということから、始めなければならなくなりそうである(笑)。

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コメント

山中先生へ

僕は経済的な理由で映画には滅多に行けませんが(映画の入館料の2000円は高い!)ビデオやDVDとか衛星放送では結構観ています。でも行ける事ができるならできる限り観にいきたいのです。

今はいい映画が沢山出ている時期なので(いい映画が一杯来る時期と全然来ない時期とあるのです。何故か知らないけど農作物の収穫みたいです)「不都合な真実」なだけではなく色々観たくてたまりません。でもガマンです。

「不都合な真実」はゴアさんが出ているということもあって話題になっていますが、噂では内容は悪くはないのだけど、ゴアさんの説明する時間が長すぎてドキュメンタリーとしてはいささか見にくい、という話です。
先生が環境問題を取り上げている授業を開講されているなら、ネタになると思って観にいっていいのではないかと思います。

映画館は新聞で調べればすぐにわかります。どの映画がどの映画館でどの時間帯かキチンとわかります。

でも映画はいいものです。いい作品をできる限り鑑賞していきたいです。それではサヨナラ サヨナラ サヨナラ

投稿: スメルジャコフ | 2007年3月 9日 (金) 23時48分

スメルジャコフさん、

> 映画館は新聞で調べればすぐにわかります。どの映画がどの映画館でどの時間帯かキチンとわかります。

そうでしたね。私もこの記事を書き終えてアップロードしたあと、「そういえば、新聞があったっけ…」と思っていたところでした。ありがとうございます。

> 映画はいいものです。いい作品をできる限り鑑賞していきたいです。それではサヨナラ サヨナラ サヨナラ

淀川長治さんですね(笑)。懐かしいです。

投稿: 山中 | 2007年3月11日 (日) 21時28分

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