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2007年3月29日 (木)

授業の準備を開始

平成18年度もいよいよ残すところ、あと2日あまりとなった。新年度は目前である。

新年度の授業の準備に今日から着手したが、まず取りかかったのが、地球温暖化問題をテーマとした総合演習(教職)の授業計画の練り直しである。というのも、2年前からテキストとして使用してきた神保哲生『ツバル-地球温暖化に沈む国』(春秋社、2004年)が品切れとなり、今年4月時点での販売ができないという連絡を、2週間ほど前に、皇學館大学名張学舎の取り扱い書店(丸善名古屋支店)から受けたからだ。

春秋社に直接問い合わせてみると、現在、その増補版が準備中で、6月頃に刊行予定だという。そこで、その増補版が刊行され次第、テキストとして使うことにしたが、それまでの間、何を教材とするかの問題が残っていたのである。

いろいろと探してみたのだが、結局、かつて本欄でも詳しく取り上げた、石弘光『環境税とは何か』(岩波新書)の主に第1~2章を、4月から5月までの授業の教材とすることにした。教材として使うには、自分がまずその内容をしっかりと理解していなければならないからである。受講者諸君には購入するテキストが1冊増えることになるが、新書版で税込777円だから、無理な金銭的負担を強いることにはならないと思う。

実は、一度は加藤尚武『環境倫理学のすすめ』や同『新・環境倫理学のすすめ』(いずれも丸善ライブラリー)も考えた。しかし、その2冊を読んでみて分かったことは、倫理学の薫陶を受けてこなかった私には、そこで説かれている環境倫理学の三つの基本的主張-自然の生存権、世代間倫理、地球全体主義-のおおまかな内容は大体理解できても、それらをめぐる環境倫理学上の込み入った議論を綿密に消化することが、今の私にはすぐにはできそうもない、ということだった。新書サイズの本ではあるが、そこに書かれている内容はなかなか本格的で、読み応えがある。

そのようなわけで結局授業のテキストとしての採用は見送ったが、しかしながら、必要に迫られて上記の加藤尚武氏の著作を読んだことで、自由主義や民主主義や人間中心主義といった近代の価値が地球環境問題を前にして根本的な見直しを迫られている、という重大な事実への基本認識を深めることができたことは、大きな収穫だったと思う。

いずれにせよ、『ツバル』の品切れ→増補版6月刊行予定、という連絡を2週間ほど前にいただいてから練り直しを迫られていた授業計画の立て直しに、おおよその目処が立ってきたことは、大きな進歩だった。明日からも着々と授業準備に励んでいきたい。

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