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2007年4月17日 (火)

ビデオ「気候大異変」の感想

伊勢学舎と名張学舎とで担当している「総合演習」の授業で(伊勢では今年度から新たに担当することになった)、昨年2月に放映された「NHKスペシャル 気候大異変(全2回)」のビデオを、(名張学舎では昨年に引き続き今年も)上映し、受講生諸君に感想文を書いてもらった。みな一様に、地球温暖化がもたらす悪影響の深刻さに、大変驚いたようである。というのも、これは単に地球が少し暖かくなるということではなく、このまま放っておくと、実にさまざまな点で、私たちの住む環境に深刻な影響が及ぶことになるからである(*)。

(*)なお、このビデオの内容についておさらいしたい場合には、本ブログにその概要をまとめた記事があるので、画面右の検索機能を使って(検索欄がスグに分かるようレイアウトを若干変更しておいた)、「このブログ内で検索」を選び、キーワードを「気候大異変」と入れて、本ブログ内の記事を検索していただきたい。

さて、このビデオをみて大変驚いた後の反応は、おおよそ次の3つのタイプに分かれた。

第1のタイプは、「もう、ただただ驚いた…」という感想文で、あまりの驚きに呆然としてしまった、というものである。そうなってしまうぐらい衝撃的だったのだろう。

第2のタイプは、将来に対してやや悲観的・絶望的になってしまうという感想文である。非常にショックだったことだろうから無理もないが、授業でも述べたように、悲観し絶望してもらうことが目的ではなかった。たしかに深刻なメッセージではあったが、あくまでもこれは“警告”であり、“宿命”ではない。100年後の地球がどうなるかは、今のわれわれの行動にかかっているのである。問題意識は強く持つ必要は大いにあるが、希望は失わないでいただきたいと思う。そのためにできることは何かについて考えていくことが、これからの授業の目的である。

第3のタイプは、大変ショックだったものの、何かをしていかなければならないし、実際に行動していきたい、と前向きな姿勢を見せてくれた感想文である。このタイプはさらに二つに分かれており、国家レベル・国際レベルでの大きな取り組みの必要性を強調するものもあれば、小さなことでもよいからまず自分から始めたいという決意を表明するものもあった。とくに今年に特徴的だったのは、後者の「まず自分から」という決意表明が、この段階で早くも多く見られたことである。それも非常に具体的に「マイ箸」「マイバッグ」を挙げたり、ティッシュペーパーの使う量を減らしたり、電気を無駄に使わない、といった取り組みを早速始めたい(あるいはすでに始めた)という感想が見られたことは、非常に頼もしいことであった。

以上の3つですべてが網羅されたわけではないが、だいたいにおいて、以上の3つに当てはまる感想文が大半を占めていた。それ以外でなかなか面白かったのは、「日本政府が他国から排出権を買っている」という事実をすでに知っており、それを批判する意見が一つ出たことである。排出権取引のことを見聞きしている受講者がいるとは予想していなかったので、感心した。ただし、たしかに排出権取引というしくみには一定の限界はあり、それだけでは全く不十分とはいえ、それは一つの有効な手段ではあるので、これについては、後に授業でも取り上げる予定である。

最後に、京都議定書から脱退しているアメリカに対する批判や強い疑問の声も感想文からいくつかあがっていたので、ここで補足をしておくと、たしかに現在の米ブッシュ政権は、排出量削減を義務付ける国際的な枠組みには依然として反対しているが、そのブッシュ大統領でさえ、最近では「アメリカは石油中毒である」と一般教書演説で述べ、石油依存体質からの脱却を謳うようになっている。また現在の米議会では、共和党のブッシュ大統領に対して批判的な民主党が優勢となっており、ブッシュ政権に対して地球温暖化問題へのさらなる取り組みを強く迫るようになっている。それに州レベルでは二酸化炭素削減に熱心な知事も現れており、カルフォルニア州のシュワルツェネッガー知事はその代表例である。市民レベルでも、市民団体が温暖化防止を願い決起集会を開催し、教会関係者も多数参加したことが、Christian Todayというウェブサイトで最近報じられたばかりである(このウェブサイトの存在を私はGoogleで「温暖化」を検索することによって知った)。このように、アメリカにおいても徐々にこのような動きが現れ始めていることは、知っておいてよいことである。

いずれにせよ、この「気候大異変」のビデオを上映した後の反応は(今年も)上々だった。授業担当者としては嬉しい限りである。これを出発点として、これからも授業を活発に進めていきたいと思っている。

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コメント

山中先生、すばらしい内容の授業をなさっておられるのですね。メッセージは、宿命ではなく、警告であるということ。学生の方達がそれをちゃんと受け止めてくださっている様子。私もやはり、山中先生と同じ気持ちで、先日の生命学園において、ノアの箱船の絵本を読み聞かせさせてもらいました。学園児達も真剣に聞いてくれました。本当に実行してくれる人が一人でも増えていくことを祈ります。

投稿: ニコモ | 2007年4月18日 (水) 23時02分

ニコモさん、

ありがとうございます。これからも授業に尽力いたします。コメントありがとうございました。

投稿: 山中 | 2007年4月19日 (木) 05時13分

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