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2008年1月23日 (水)

乳幼児の死亡 年間1000万人を下回る

私の担当する政治学の授業で用いているテキストの一つは、加茂利男ほか著『現代政治学』第3版であるが、そのテキスト第10章3「飢餓と食糧問題」のところに、「世界の5歳未満乳幼児の年間死亡数は約1000万人」という記述がある。ところが、ユニセフ・国連児童基金が22日に発表した今年の『世界子供白書』によると、一昨年の2006年には、1990年以来初めて1000万人を下回り、970万人になったのだそうである(NHKニュース 乳幼児の死亡 年間970万人)。

このニュースを今日最初に知ったのは、NHKラジオの英語ニュースで聞いていたときだったのだが、「このニュースは見覚えがあるな…」と思い、International Herald Tribuneで検索してみたところ、昨年の9月13日に「国連児童基金が発表する見込み」として、すでに報じられていた(Child mortality at record low; Unicef predicts further drop)。それが日本語ニュースでも報じられたのは、この22日が初めてかもしれない。

いずれにせよ、乳幼児の死亡数が下がっていることは大変よいニュースだと思う。1960年には年間2000万人の乳幼児が死亡していたというから、それに比べれば、事態は大いに改善されてきたといえるだろう。

とはいえ、これには地域格差があって、たとえばサハラ以南のアフリカでの死亡が全体の半数近くを占めているというから深刻である。また、2006年のこの970万人の子供の命は、何も特別な医療によらなくとも、ワクチンや(消毒された)蚊帳の導入など、ごく基本的な医療サービスで充分に救えたはずなのだそうである。年間970万人ということは、1日当たり26,000人 = 1,083人/1時間 = 18人/1分、すなわちおよそ3.3秒に1人の乳幼児が世界のどこかで亡くなっていることになる。

それを考えると、この問題解決のために行なうべきことは、まだまだ沢山ありそうである。

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2008年1月11日 (金)

iPS細胞研究に国費30億円

昨日1月10日の国際政治論(伊勢学舎)で、テキスト『国際政治経済学・入門』(有斐閣アルマ)新版あるいは第3版の第7章「科学技術と現代国際関係」を取り上げたが、ちょうどその日、iPS細胞研究、国あげて支援へ…国費30億円投入というニュースが報じられていた。京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて作製に成功した万能細胞(iPS細胞)の研究を加速させるための支援策である。

テキストでのバイオテクノロジーの説明はES細胞(ヒト胚性幹細胞)で終わっているが、授業でも少し説明したように、ES細胞の場合は受精卵を用いるために生命倫理上の問題が生じるのに対して、iPS細胞(induced pluripotent stem cells、人工多能性幹細胞)の場合は、受精卵を壊さず、皮膚細胞などから作製できるので倫理的問題が少ないため、再生医療への応用が大いに期待されている。

テキストにも、現代の科学技術をめぐる研究開発競争の激化が述べられていたが、実際、今回国が支援を決めた背景には、YOMIURI ONLINEで解説されているように([解説]「iPS細胞」研究競争)、米国との激しい研究開発競争がある。その競争について、当の山中伸弥教授は、一方で国内で研究者が結集できる場の必要性を訴えつつ、他方で1月9日の日本外国特派員協会での講演では、激化する研究競争について、「ストレスだが、元気のもとでもある」「彼ら〔世界のライバルたち〕は友達でもある。競争はスポーツのようなもので、健全な状況だ」と話していたという(産経新聞1月10日朝刊)。

iPS細胞についての詳しい説明は、Wikipediaに譲ろうと思うが、いずれにせよ、テキストではiPS細胞への言及がなされていないため、ここで補足しておく次第である。

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2008年1月 1日 (火)

翻訳に明け暮れた元日

今日から2008(平成20)年がスタートした。読者の皆さんはこの一年最初の日をどのように過ごされただろうか?

この元日を、筆者はどこにも出かけず、もっぱら翻訳の仕事に費やした。例のハイエク全集第Ⅱ期政治学論集の翻訳である。実のところ、この翻訳の仕事は、ここ1・2ヶ月のあいだ新たな論文の構想の模索に追われていたため、ほとんど全くといっていいほど進んでいなかったのだが、今日のまとまった作業のおかげで、この仕事に再び勢いを取り戻すことができた。授業期間が再開すれば、今日のように一日中翻訳に取り組む時間を取ることはできないだろうが、この正月休みの間に大きく勢いをつけておけば、授業期間再開後も、その勢いに乗って地道に作業を積み重ねていくことができるだろう。

それにしても、翻訳はやはり非常に時間のかかる作業である。今日の午前9時から1時間の昼休みを挟んで午後5時までのおよそ7時間を費やして和訳できたのは、ほんの4ページのみであった。だから翻訳の仕事はある短期間にまとめて一気にやろうとしても、それはできない。むしろ、(本ブログの昨年10月15日の記事でも書いたように)毎日少しずつ進めていき、それを長期間にわたって積み重ねていくべきだろう。

それを軌道に乗せるためにも、この正月休みは、家族と一緒に過ごすくつろぎの時間以外は、翻訳の仕事に没頭するつもりである。

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