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2008年2月 4日 (月)

ただいま試行錯誤中

論文執筆のための試行錯誤が現在も続いている。本ブログに以前書いたように、最近ではマイケル・ポラニーの自生的秩序論あるいは自由論を勉強し始めたり、進化ゲーム理論における「相互扶助を語る自生的秩序論」の動向を追ってみたりしてきたのだが、一方でマイケル・ポラニーに踏み込むには、3月末締切では時間が全然足りないし、他方で、外的強制を全く必要としない秩序形成の可能性を追求する進化ゲーム理論は、政治権力の必要性を大前提とするハイエクの議論とはかみ合わないので、結局、そのいずれも今回の論文のテーマには使えないことが分かったのであった。

そんなわけで、どうしたものか…と思い悩む日々が続いてきたのだが、ふと思ったことは、「何もハイエクから急いで離れようとしなくとも、政治学の観点から、まだハイエクそのものを使って書くべきことが残されているかもしれない」ということだった。というのも、拙著『ハイエクの政治思想』の第4章では開発経済学にも足を踏み入れたのだったが、いま思えば、筆者の能力からすれば、自身の専門とは違う分野に踏み込むよりも、むしろ政治学の議論に徹するべきだったかもしれない…という思いがしてきたからである。それはまた、ハイエク全集第Ⅱ期第5巻政治学論集の翻訳の仕事--これも3月末締切である--と無理なく両立できる道でもある。

そう思って、改めてハイエクの政治学関係の論文(その民主主義論)を新たな気持で読み直しはじめたところ、これまでのような不安がなくなり、妙に心が落ち着いてくるのを感じた。これまでハイエクは経済学や法哲学の分野で論じられることが多かったなかで、政治学の観点からハイエクを論じたのが拙著の最も大きな特徴だったとすれば、そしてその視点からまだ論ずべきことが残されているとすれば--そんな気が徐々にしてきたのだが--それを今回の論文テーマにすればよいのではないか、と思えてきたのである。その論文が掲載されるのは日本政治学会の年報だから、その意味でもそれこそがふさわしいはずなのであった。そう分かってみれば、なぜもっと早くに気づかなかったのか、とも思うのだが…。

だが今さら後悔してみても始まらない。もはや残された時間は2ヶ月を切っているが、ハイエクを題材とするのであれば、おそらく堅実に仕事を進めていくことができるだろう。幸い、授業期間を終えて、まとまった時間を比較的取りやすい時期に入ったので、とにかく前に進んでいきたい。反省した後はそれ以上徒らにくよくよするべきではなかろう。ただ前進あるのみである。

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