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2008年3月11日 (火)

歩くことで仕事に勢いをつける

3月10日締切だった『政治学年報 2008-Ⅰ』の論文を、昨日無事に書き上げて提出し、英文の要約文も今日提出した。これで昨年来ずっと試行錯誤してきた大きな仕事を一つ無事に終えることができたので、大いに安堵している。

タイトルは「ハイエクの民主政治論における懐疑と失望:トクヴィルとの比較の観点から」とした。60枚強の分量である。トクヴィルを大変高く評価していたハイエクであったが、その民主政治論を比較してみると、むしろこの両者の間には大きな相違があった。トクヴィルは、デモクラシーの陥る“多数の暴政”や“民主的専制”-ちなみにこの両者は実は別の概念だったのだが、ハイエクはその違いに気づいていなかったように思われる-という危険性を鋭く批判しつつも、政治的自由によってデモクラシーを何とか生かそうとした。それに対してハイエクの場合は、専制支配への防波堤となるべき基本的自由はあくまでも経済的自由でなければならず、民主政治に対しては懐疑と失望の念を終始抱いていた。平和的な政権交代を可能にする唯一の方法として民主主義を正当化しつつも、多数者に対する不信感をハイエクは終生抱き続けていたのである。その点で、むしろハイエクの民主主義批判は、トクヴィルよりもむしろプラトンを思わせるものであった--以上のようなことを今回の論文に書いた。もとより、それが成功しているかどうかは、読者諸賢の判断に委ねなければならない。

ともあれ、今回この論文を先月末から一気に書き上げるにあたって、大いに私を前進させてくれたことがある。それは「歩くこと」である。

「一気に書き上げる」といっても、先月末からの約2週間足らずの期間、論文執筆のみに専念できたわけではなかった。というのも、大学で校務に従事すべき日もその間に計5日間ほどあったからである。

そのような中で、校務もこなし、論文も一気に書き上げるためには、自分を奮い立たせ、勢いをつけなければならなかった。そこで実践したのが、「歩くこと」だった。文字通り、外に出て歩く。とにかくズンズン歩くのである。そうすることで、不思議なことに、気持も大いに前向きになり、躊躇することなく仕事をドシドシこなすことができた。校務をテキパキこなすことで後顧の憂いをなくし、残りの日数を論文執筆にもっぱら充てることができたことは、精神衛生上も大変よかったと思う。

まず校務で大学に行かなければならなかったときに、自宅から最寄りの駅まで、20分間ほどの距離を歩いて通勤する。大学に行かずに自宅で論文に専念できる日も、まずは近所を20分ほど歩いた。そうすると心身共にスッキリとし、執筆作業が大いにはかどった。体も元気になり、ちょっとした家事を手伝う気持にもなりやすかった。家事で手足を動かすことが、さらに心も体も活性化させてくれたのである。

そのようなわけで、もう今ではスッカリ歩くことが習慣になった。昨日もプリンターのインクが切れて、新しいインクタンクを買いに行くときも、近所の家電量販店まで歩いて行った。歩いてみると、10分ほどで着いたので、こんなに近かったのか…とちょっと驚いたものである。こうして歩く習慣をつけると、何かにつけ「ちょっと面倒だな…」という気持が吹き飛んでしまうから、不思議である。

このように善いことだらけなので、これからも毎日歩こうと思う。それによって、これからもきっと仕事にも勢いがつくに違いない。

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