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2009年9月20日 (日)

帰国しました

今日の午後6時頃、JAL786便で、無事に北京から帰国した。いま関空からリムジンバスに乗って帰っているところである。

7月のサンティアゴに比べると、今回の北京は、はるかに楽だったが、やはり日本に帰ってくるとホッとする。

今晩はグッスリ休んで、また明日から、新たな気持ちで仕事に励もうと思う。

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海外での研究報告を終えて

7月にチリの首都サンティアゴで開かれた世界政治学会、および今回北京で開催されたIVR(法哲学・社会哲学国際学会連合)世界大会--この2度にわたって、海外で研究報告を行うという機会に恵まれた。7月の報告を終えたときには、帰国後すぐに授業を再開しなければならなかったため、ゆっくり振り返る時間を持てなかったが、今回はそうするための時間的・心理的余裕が(少しは)あるので、この2度にわたる海外での報告の機会を、できるだけ簡潔にではあるが、今ここで振り返っておくことにしたい。

この2度の機会のいずれも、要するに、すでに日本語で筆者が行ってきたこと(拙著『ハイエクの政治思想』勁草書房)を英語でも発信する経験をしておきたい--という動機からのチャレンジだった。7月は拙著の主に第1章、今回の9月は同じく第3章の内容に基づいて、報告を行った。幸い、報告のための論文を英語であらかじめ執筆したり、実際に報告の場において英語でプレゼンテーションを行うことについては、実際にやってみて、それなりの手応えを得ることはできた。

しかしながら、報告後のディスカッションの時間になって、質問に対する応答を行おうとする段になると、日本語の場合とは違って、英語では、最低限のことは言えても、自分の言いたいことの全てが充分には伝えられなくなる--そうしたもどかしさを痛感させられることにもなったのである。

国際的な学会での研究報告の場合は、全体会議での基調報告の場合は別として、だいたい10~15分で報告することが求められる(少なくとも今回の2度の経験ではそうだった)。したがって、報告ペーパーをあらかじめ書くにあたっては、日本語では行っていた細かな議論を一切省いて、論旨の骨子のみを明快に描くことに努めた。そのおかげで、聴衆に報告の趣旨をクリアーに伝えることはできた(と思う)。しかしその反面、それ以外の議論の肉付けの部分は伝えられていないので、その点にかかわる質問がどうしても出てくるのである。

日本語でなら、そうした質問に対して緻密に答える訓練は、これまでかなり積んできたつもりである。ところが、私の英語の能力は、まだそのレベルには到達していなかった。その場を何とか乗り切るために、あるいは質問を何とか「かわす」ために、どうにかこうにか応答することはできたものの、日本語でならもっと緻密に述べることができたはずの内容が、英語になると途端に伝えられなくなってしまう--そのことを、如実に思い知らされたのであった。

この壁をクリアーするためには、普段からもっと、自分の言いたいことを英語で書く練習を積んでおくことが、まずは必要だろう。断片的な言葉ならともかく、およそ論理的な内容を正確に話すことができるためには、まずはそうした文章をもっとスラスラと書けるようになっていなければならないと思われるからである。その上で、あとは報告の場数を踏んでいくことだろうと思う。

いずれにせよ、これで今回の海外での研究報告は一段落した。これは「日本語を英語へ」という仕事だったが、今年のもう一つの大きな仕事は「英語を日本語へ」、すなわちハイエク全集第Ⅱ期 第5巻 政治学論集(春秋社)の監訳である。これからは、この監訳の仕事に邁進していくことになるから、要するに今年の私の研究者としての仕事は、英訳にせよ和訳にせよ、語学面での仕事となる。今年はとにかくそれを全うすることである。

そして来年以降、新たな研究の方向性を打ち出せるようにしたいと考えているのだが、今それに向けて大いに意識しているのが、萬田悦生氏のハイエク研究、すなわち『文明社会の政治原理:F・A・ハイエクの政治思想』(慶応義塾大学出版会)である。その萬田氏のハイエク研究は、氏がイギリス理想主義者の一人T・H・グリーンを研究してこられた視点から為されたものである。その氏のご研究を踏まえつつ、何らかの新たな研究の方向性を探っていけるのではないか--おぼろげながらも、今そのように考えている次第である。

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2009年9月19日 (土)

仏大統領がGDPに「幸福度」加味を提唱

北京で開催中の第24回IVR世界大会での私の研究報告は、昨日、成功裏に終わることができた(と思う)が、その最終準備の最中の17日に、経済産業省の産業構造課より、大変興味深い情報を提供するメールが届いていた。

それは、すでに日本でも報道されていることと思うが、フランスのサルコジ大統領が、GDPの算出方法を見直し、そこに「幸福度」を加味することを提案したというのである。そのメールで知らされた朝日新聞のサイトのリンクをここにも貼っておこう。

GDP算出に「幸福度」を加味 フランス大統領が提案(asahi.com)

その朝日の記事にも書かれているが、今回の仏大統領の提案は、有名な経済学者のスティグリッツやセンらがまとめた報告書に基づくらしい(その報告書をまとめた委員会のサイトはこちら)。

9月7日の本ブログの記事で、私が経済産業省「オルタナティブ・ビジョン研究会」の一員となっていることをお伝えしたが、その経産省の研究会でも、GDPに代わる経済指標については、すでに重要な議題として議論を始めているところである。そういうわけで、私のところに、上記の情報提供メールが届いたのであった。

その本ブログの記事でも書いたように、この研究会の議事は非公開となっているので、その議論の内容について、ここで紹介することはできないが、このGDPという指標の見直しについては、今後も重要な議題となっていくことだろう。その研究会の一員として、私も尽力していきたいと思っている。

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2009年9月14日 (月)

北京滞在記

今日は北京に向かうために、朝6:30に自宅を出発し、奈良交通のリムジンバス(英語ではlimousine busとは言わず、たんにlimousineと言うが)で関西空港に向かった。関空に着いたのは時刻表どおりの8:05だったが、混雑していたので、搭乗チェックインを済ませた時には、すでに9:00を少し回っていた。

出発時刻が10:00だったから、その後、携帯電話のレンタル手続き(ソフトバンクのグローバルレンタル)と両替を急いで済ませた後(交換レートは1人民元=15.23日本円)、手荷物検査や出国手続きを通過し、搭乗口にたどり着いたのは9:30頃である。

その後、関空発10:00JAL785便に乗り、現地時間12:05に無事北京に到着した。飛行時間はおよそ3時間だったが、日本との時差が-1時間なので、現地では12:05だったのである。機内では、機内チャンネルから宮崎駿アニメの映画「紅の豚」を選んで鑑賞したり、同じく機内ラジオから落語を選んで聞いたりして、もっぱらリラックスして過ごすようにした。今回は、機内で本を読むと、疲労がたまってしまうような気がしたからである。

そのあと、北京首都国際空港からタクシーで滞在先の北京友誼賓館(Beijing Friendship Hotel)に到着したのは、たしか13:45頃だっただろうか。空港からホテルまでのタクシー代は、84人民元(以下、単に元と表記)に高速代の10元を加えて94元だった。運転手に100元札を渡したが、ニセ札ではないかどうかをチェックしていたのが、日本との違いとして印象に残った。1元=15日本円で計算すると、約1,410円である。車間距離が日本よりもかなり近くなることもたびたびあって、結構ヒヤヒヤしたが、これが北京では普通のようである。また、おそらく車の排気ガスのせいだろうと思うが、市内の空気がボンヤリと黄色く濁って見えるのも、北京ならではのことなのだろう。

ホテルでチェックインを済ませた後、部屋で少し昼寝をした。2時間ぐらい寝ただろうか。その後、夕食と入浴を済ませ、今こうして、部屋でインターネットを使っている。7月のチリ出張の時とは違って、ホテルの部屋からインターネットに無事つなげることができたのは大変ありがたいことである(チリでもネット環境は整っていたはずなのだが、私のパソコンでは、なぜかうまくつなげなかった)。

ただしインターネットの利用は無料ではない。ホテルの利用案内によると、1時間/10元、1日/50元、1ヶ月/160元、この3通りの利用方法がある。もちろん1ヶ月も滞在するわけではないが、6泊7日滞在するので、少し考えたあと、結局1ヶ月/160元(=約2,400円)で利用することにした。

というわけで、いまホテルの部屋でパソコンに向かっている最中だが、部屋のテレビではNHK・BS2も視聴できるので、いまそれをつけながらキーボードを打っているところである。日本時間で22時台に放送されている番組を、こちらでは21時台に見ることができるので、1時間トクした気分である。

こちらの20時台には、NHKのニュース9を見ていた。スポーツニュースではイチローの9年連続200本安打の大リーグ新記録達成のニュースで盛り上がっていたが、時々、画面が突然静止画像に変わって、「著作権の関係で、現在放映できません」という趣旨のメッセージが出てきて、音声だけになってしまうのが、玉に瑕(きず)である。

このような次第で、今回の北京出張での初日が順調にスタートした。明日からいよいよ第24回IVR世界会議である。それに備えて、今夜はグッスリと休ませてもらうことにしよう。

--と思っていたら、いまNHK・BS2で鶴瓶の「家族に乾杯!」が始まった。今回の舞台は奈良県の曽爾村であるが、曽爾村と言えば、皇學館大学社会福祉学部で毎年4月に新入生セミナーで訪れてきた土地である。今朝、自宅を出る前にテレビでその予告を見て、「これ見たいなぁ」と思ったのだが、北京出張なので見られないだろう--と諦めていたところだったので、ラッキーだ。これを見てから眠ることにしよう。

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2009年9月13日 (日)

第24回IVR世界大会(北京)に向けて

実は明日の10:00に関空を出発する便で、北京に向かう。北京で開かれる第24回IVR世界大会に参加するためである。IVRというのはドイツ語に由来する略称で、正式名称を法哲学・社会哲学国際学会連合という。

大会の開催期間は9月15日~20日で、大会のメインテーマは、Global Harmony and Rule of Law だが、私が研究報告するのは、リバタリアニズム(Libertarianism)をテーマとしたスペシャル・ワークショップにおいてである(詳しくはこちら このなかのS34がそのワークショップである)。

7月の世界政治学会(チリ・サンティアゴ)に続いての海外での研究報告だが、今回は、その時ほどの緊張感はない。ほどよくリラックスできているように思う。もちろん、成功裏に報告できるよう、ベストを尽くすつもりである。

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2009年9月 7日 (月)

経済産業省「オルタナティブ・ビジョン研究会」

本ブログでの報告が遅れていたが、実はこの8月より、経済産業省内で組織された「オルタナティブ・ビジョン研究会」に参加している。7月13日にその第1回が開催されたのだが、そのときは世界政治学会に参加していたため欠席したが、8月19日と24日に開催された研究会には参加した。9月は明後日の9日と28日に開催予定である。

この研究会に関して、経産省の公式サイトで公開されている情報はこちら
 ↓
経済産業省経済産業政策局産業構造課
「オルタナティブ・ビジョンに関する調査研究」
http://www.meti.go.jp/information_2/data/20090527190311.htm

このサイト上の「仕様書」に、この研究会の趣旨が書かれているが、その一部を引用すると、次のとおりである:

・今次金融危機〔昨年9月リーマンブラザーズ破綻に端を発する金融危機〕を契機として、経済的価値より高次の価値から社会的な課題の解決も含め議論する動きが欧米を中心に活発化している。そこで、経済成長のみならず、社会的閉塞感や共同体意識の崩壊などに対し、いかなる社会的・道徳的価値観から対処に臨むべきか、検討を進める必要がある。

・ 本調査研究は、上記問題意識に基づいて経済社会政策のオルタナティブ・ビジョンを提示すべく調査を行い、今後の経済産業政策の立案に役立てることを目的とする。

この研究会の構成メンバーは、政治思想・経済思想・法哲学を専門とする比較的若手の研究者14名によって構成されている。年齢層としてはだいたい30代後半で、40歳の私は、その中ではおそらく最年長かもしれない。そのなかで私に期待されているのは、ハイエク研究者としての見解を提示することである。比較的若手の研究者ばかりが選ばれているのは、「これからの新しい時代のことを考えるにあたっては、その方がよい」と判断されたからだと聞いている。

議論の自由度を確保するために、この研究会での議論は非公開とされているようなので、本ブログでその議論の内容を紹介するわけにはいかないのだが、いずれ報告書が作成されるはずなので、詳しくはその報告書の刊行を待っていただきたい。

この他にも、ハイエク全集第Ⅱ期政治学論集の監訳など(←現在進めている主な仕事はこれである)、重要な仕事をいくつか抱えていて、大変忙しいところではあるが、この研究会への参加も非常に重要な仕事なので、私に与えられた役割を真面目に果たしていこうと思っている。

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