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2009年12月 9日 (水)

慶應MCC講座 古典を通して考える【自由と資本主義】

2週間ほど前のことになるが、11月26日(木)に慶應義塾大学・丸の内シティキャンパス(慶應MCC)へと赴き、午後6時半から9時半までの3時間、社会人の方々を対象とした講座のゲスト講師を務めてきた。
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慶應MCC夕学プレミアム agora 古典を通して考える【自由と資本主義】

この講座は6回シリーズだが、その第4回のテーマとしてハイエクが取り上げられることになっていたので、そのゲスト講師として呼ばれたのである。

前半の1時間半が講義、後半の1時間半が質疑応答だった。たしか14名ほどのご出席だったように思うが、受講生の皆さんが熱心に質問して下さったので、後半の時間が足りなくなるほどだった。決して安価ではない受講料を支払って、それぞれのお仕事を終えてから、しかも平日の木曜夜に受講しに来られるのだから(翌日の金曜日もお仕事だったはずである)、その熱心さには頭の下がる思いであった。その熱意に少しでもお応えできるような講座となったことを願うばかりである。

この講座の企画に携わられた事務担当者の方のお話によると、実際的なテーマではなく、自由と資本主義のあり方を根本的に考え直すという思想的なテーマで講座を開催することは、実は一つの冒険だったのだという。すぐにでも役立つような実際的なテーマでは必ずしもないため、受講者が集まるかどうかが定かではなかったからである。しかし実際に募集してみると、受講申込の反応はよかったとのことであった。

そういえば、いま経済産業省で開かれており、筆者もその一員となっている「オルタナティブ・ヴィジョン研究会」のテーマも、決して今すぐに役立つようなものではない。むしろ、10年、20年先を見据えた、すぐれて思想的・哲学的なテーマである。こうした経産省の研究会や今回の慶應MCCでの講座におけるテーマ設定の傾向は、昨年秋以降の経済危機によって、資本主義経済のあり方を根本的に問い直す機運がとみに高まってきていることを、物語っているのかもしれない。

なお、今回の慶應MCC講座中に、正確にご紹介できなかった参考文献を、ここで挙げさせていただくことにする。ケインズ・ハイエク・シュンペーターの景気循環論を総合的に理解する必要性を論じた、すぐれた論考である。

篠原三代平「貨幣は魔性、実体経済を攪乱する」『長期不況の謎をさぐる』(勁草書房、1999年)第九章

また、ケインズ・シュンペーター・ハイエクの三者を比較して論じた書物には、次のものがある。

平井俊顕『ケインズ・シュンペータ・ハイエク:市場社会像を求めて』(ミネルヴァ書房、2000年)

さらに、これは講座中にもご紹介したが、ケインズとハイエクを比較して論じたものとして、次の書物もここで改めて挙げておこう。

間宮陽介『増補 ケインズとハイエク:〈自由〉の変容』(ちくま学芸文庫、2006年)

最後に、この場を借りて、本講座講師の菊澤研宗・慶應義塾大学商学部教授、慶應MCCの事務担当者の方々、および熱心に受講して下さった受講生の皆様に、深甚の感謝を申し上げる次第である。

【追記】
受講生の皆様からのご質問があれば、大歓迎です。このブログのコメント欄を通じて、どうぞご遠慮なく、質問をお寄せ下さい。このブログ上でお答えさせていただきます。

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