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2011年3月 9日 (水)

日経新聞「やさしい経済学」で「人生と幸福度の経済分析」連載開始

昨日から日本経済新聞朝刊の「やさしい経済学」の欄で、「人生と幸福度の経済分析」と題した連載記事が始まった。筆者は青山学院大学教授の亀坂安紀子氏である(専門は行動ファイナンス、行動経済学)。

やはりここでも、話の始まりは、戦後日本における国民の幸福度がGDPの伸びとは比例していないという事実である。このことについては、『成長なき時代の「国家」を構想する』(ナカニシヤ出版)でも出発点とした事実であった。すなわち、1人当たりの実質GDPが増えたとしても、その国の人々の生活満足度や幸福度は上昇しない、という事実である。

そこで経済学の世界で最近、幸福の経済分析が新たに注目されるようになってきている。その顕著な一例は、仏サルコジ大統領の要請により、スティグリッツ米コロンビア大学教授やセン米ハーバード大学教授が2009年にまとめた報告書である。

しかし、亀坂氏によると、その報告書では人々の「主観的幸福度」を測る指標をつくることが重要であることや、人々の幸福度に影響を与える客観性の高い条件について考慮すべきことが謳われているものの、それでは実際にどのように「主観的幸福度」を測り、客観性の高い条件についてどのように考慮すればよいかについては、具体的には記されていないのだという。おそらく専門的には、クリアーしなければならないハードルがまだまだあるのかもしれない。

しかし、その方向性自体は正しいはずなので、経済学の世界でこの研究が進展してくれることを願うばかりである。この連載記事では、そのあたりの研究状況を読者に分かりやすく解説してくれることだろうから、これからも注目して読んでいこうと思う。

なお、人々の主観的幸福度との関連で、「豊かさの質」についてこれまでどのように論じられてきたか、またそこにはどのような課題がまだ残されているかについては、『成長なき時代の「国家」を構想する』の第Ⅱ部で、大東文化大学の佐藤方宣氏が「『豊かさの質』の論じ方:諦観と楽観のあいだ」と題して論じておられるので、関心のある読者はそちらもお読みになるとよいと思う。

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コメント

携帯から失礼します。
ふとしたきっかけからここに辿り着きました。
実は私、山中さんと中学3年の時に同じ塾で勉強させていただいた者です。私は中3の半年と高校のわずかな期間しか塾に在籍しなかったので、山中さんは記憶にないことと思いますが、私の方は山中さんが私の実家の目と鼻の先にある優秀な高校に進学されたことや、お兄さんがプロ野球選手だったということで強く印象に残っています。
皆で夕食したうどん屋や王将や買物をしたお菓子屋が懐かしいですね。
今回、ブログのいろいろな記事に目を通させていただきましたが、やはり山中さんはすごいなという感じです。山中さんは中学生の頃から当たり前のように努力をする人だと感じていました。
明日からちゃんと日経の経済教室を読もうと思います。今後もご活躍をお祈りしております。

投稿: 八木 | 2011年3月 9日 (水) 23時54分

八木様

「堺英数学院」でしたね! 南海高野線・堺東駅から北に徒歩5分ほどのところにあった…。八木君のことも覚えてますよ。あの「王将」で、店員さんに代金を過不足なく渡しながらも、「釣りはいらねぇよ」とか言って、クスクス笑いながら店を去っていく塾仲間もいましたよねぇ。本当に懐かしいです。

このブログをお褒めいただき、ありがとうございます。これからも、満足していただけるようなブログ記事を書いていきたいと思っていますので、またどうぞ、アクセスして下さいね。

投稿: 山中優 | 2011年3月10日 (木) 03時12分

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