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2011年5月 6日 (金)

原発をめぐる政官業の癒着

少し前のことになるが、英字新聞 International Herald Tribune で、原発事業をめぐる政官業の癒着構造に改めて目を開かされる記事を読んだ。

Safety Becomes Victim in Japan's Nuclear Collusion

このような記事を読むと、大規模な地域独占が許されている従来の日本の電力事業のあり方は、モラルハザードを生みやすいがゆえに、やはり改革されねばならないと強く感じる。

たしかに目の前の電力需要を考えると、いますぐ既存の原発を全廃するわけにはいかないだろう。だが、未来に向けて、脱化石燃料かつ脱原発へとエネルギー政策の舵を切り替え始めるべき時は、まさに今だという気がする。

前回の本ブログの記事でも言及したが、有名な文明評論家であるジェレミー・リフキン氏の著書『水素エコノミー:エネルギー・ウェブの時代』(NHK出版)の第8章・第9章に書かれているように、大規模集中型の発電方式から、分散型の発電方式へと切り替え、地球上のどこにでも存在する自然エネルギーと水素燃料電池との組み合わせによって、“エネルギーの民主化”を実現することこそが、21世紀におけるあるべきエネルギー政策の方向ではないか--そのように私には思えてならないのである。

とはいえ、ここで私は、「既存の独占的な電力会社を完全に解体すべきだ」と思っているわけでは決してない。そうではなく、その果たすべき役割を変えるべきだということなのである。この点につき、上述のリフキン氏の本では、新しい枠組みの下での電力会社のあり方について、次のように述べているので、参考までに引用しておこう。

新しい枠組みのもとでは、電力会社は「バーチャル電力会社」となり、相互接続を通してエンドユーザーを支援し、彼らが余剰電力を効率的に共有して利益を得るのを手助けする。「生産ではなく調整」が分散型電源時代のスローガンになり、アメリカオンライン(AOL)がビジネスモデルの手本となるだろう。(271頁)

より詳しくは、この本を、とくにその第8章・第9章を読まれたい。残念ながら版元のNHK出版では現在品切れ状態のようだが、古書として購入するか、図書館で借りて読むだけの価値はあると思う。

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