2006年11月11日 (土)

Googleの便利さに感服

ここ数日ずっと、不思議に、非常に早い時間に眠たくなり、夕飯後すぐにコテンと寝てしまっていた。体が体力回復のために睡眠を要求していたのかもしれない。そのために今月に入ってからも更新がしばらく滞っていた。本来なら前回11月1日に始めた連載の続きを書きたいところだが、以下に述べる事情から、その続きは後日に回させていただくことにしたい。

というのも、実は今、校正作業中だからである。来年3月出版予定の拙著の初校刷が出版社から届けられた。期限は2週間と言われているので、今はこの作業に専念して、手際よく進めていく必要がある。さもなければ、出版時期が遅れてしまい、出版社に大きな迷惑をかけることになってしまうからだ。そんなわけで、授業等の大学での仕事以外では、今はこの作業に専念しなければならない。

その初校の際、編集者の方との約束で、今回の本の中で取り上げている研究者の経歴・所属・研究内容などの情報を、読者のために加筆することになっている。その情報について、最新のものを確認するために、改めて調べておくことにした。その際に重宝しているのが、今回のタイトルに掲げたGoogleである。

このGoogleに検索ワードとして、たとえばKukathasとかVanbergなど、研究者の名前を入れて検索すると、瞬時に、その検索結果を表示してくれる。つくづく感心するのは、その際、信頼できるサイトのURLを、キチンと最初に表示してくれることだ。昔なら、図書館で奔走して、いろいろな書誌で調べなければならないところだったはずだが、今では自宅や研究室にいながらにして、瞬時に重要な情報を手に入れることが出来るのだから、本当に便利になったものである。

以前の私はこのGoogleを、たんなる検索エンジンと思っていただけだったが、梅田望夫『ウェブ進化論:本当の大変化はこれから始まる』(ちくま新書、2006年2月刊)によると、実はもっともっとスゴイものらしい。というのも、このGoogleのねらいは「知の世界を再編成する」という、とてつもなく大きなものだからだ。

つまりGoogleは、自らのミッションを「世界中の情報を組織化し、それをあまねく誰からでもアクセスできるようにすること」と定義しており、「世界政府っていうものが仮にあるとして、そこで開発しなければならないはずのシステムは全部グーグルで作ろう。それがグーグル開発陣に与えられたミッション」だと考えているというのである(『ウェブ進化論』50ページ)。

このグーグルのすごさ、その革新性の本質については、私もまだその全貌をよく理解できていないので、上記の梅田望夫氏の説明に委ねさせていただくが、とにかくグーグルというのは、たんなるサーチエンジンではなく、本当はもっとスゴイものらしいのである。

いずれにせよ、このグーグルのおかげで、重要な情報を調べる作業が格段に楽になった。感謝あるのみである。

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2006年7月20日 (木)

インドでもインターネット検閲

今日の英語レッスン(ECC難波校での時事英語クラス)では、中国でのインターネット検閲の話題が取り上げられていたが、今日の英字新聞『ヘラルド朝日』には、インドでもインターネット検閲が行なわれ始めたことが報じられていた。オンライン記事のURLは次の通りである:

http://www.iht.com/articles/2006/07/19/news/blogs.php

この記事によると、インド政府は、ブログを運営しているいくつかのウェブサイトへのアクセスを遮断するよう、インターネット・プロバイダに命じた。したがって、インド国内のインターネット利用者は、指定されたウェブサイトへのアクセスができなくなってしまったのである。

インド政府はまだその理由を明らかにしていないが、テロ対策のためではないかとの憶測が流れているという。つまり、ある一定のブログはテロリストたちが作戦を調整するのに利用されうるからだというのである。インドでは金融中心都市ムンバイでテロによる列車爆破事件があったばかりだから、このような憶測がなされているのだろう(このことは、上記の記事もその書き出し部分で暗示している)。

デリーに基盤を置くブログサイトを運営しているNilanjana Royという女性の次のようなコメントがこの記事で紹介されているが、それは次のようなものであった:

「これがもしも中国、イランあるいはサウジアラビアなら分かる。しかし、これが私の国となると本当にゾッとする」(山中訳)

ここで引き合いに出されている中国では、Google、Yahoo!、MSN(Microsoft)といった米国IT企業が中国のインターネット検閲の圧力に屈したことは、読者の皆さんもご存知のことと思う。これが米国で問題視され、議会で公聴会が開かれたぐらいである(今日の英語レッスンの題材はこれがテーマであった)。実際、MSNでブログを開いていたある中国青年がある地方紙を自身のブログ上で批判したために、ある日突然、そのブログが閉鎖されてしまうという出来事も起こっているのである。ブロガーの1人として、このときのショックは相当なものだったろうと想像する。

中国もインドも、現在、経済発展に邁進中である。かつては中央計画経済志向だったのが、いまや自由市場経済を取り入れて、経済的に活気にあふれ、いわば「熱く燃えている」という点でも、この両国は共通する。

その両国で、理由の違いはあれ、インターネット検閲にやっきになっている(あるいはなろうとしている)という事態は、私の研究関心からいっても無視できない問題だと思う。というのも、私の研究テーマはハイエクの市場秩序論であるが、市場秩序のあり方を考えていくうえで、その国の政治体制の安定の度合いは非常に重要な要因の一つだからである。

ハイエク自身は主に先進国を念頭に、民主主義の行き過ぎによる福祉国家の肥大化を批判していたが、民主主義自体を否定したわけではもちろんない。原理的には自由主義と民主主義とは別々のものだから、たとえば中国のように権威主義体制下であっても市場経済は可能である。しかしながら、産業化が進むにつれて人々の政治意識が向上し、それが民主化要求へとつながっていくということも言えるのである。したがって、中国が権威主義的政治体制のままで安定し続けていられるのか、あるいは民主化を余儀なくされるのか、また民主化せざるを得ないとしてもそのプロセスが平和的なものとなるか暴力的なものとなるか…といったことが、大変重要な問題となることだろう。隣国にそのような国を持つわれわれとしても、この中国の問題は看過し得ないはずである。

他方、インドはすでに民主化されてはいるが、もしも先のムンバイでのテロが豊かになりつつあるインド経済に打撃を与えることを狙ったものだとすると、インドでの市場経済路線も決して平坦だとは言えないだろう。

以上の中国やインドの問題が今後の私の研究テーマにどのような形で関係してくるかはまだ私自身にもよく分からないが、気になるままに、今ここに書きとめておく次第である。

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