USENでNHKラジオ英語講座を聴いていることは以前にも述べたとおりだが、その時に述べた「英会話入門」と「英会話上級」に加えて、今月からは新たに「徹底トレーニング英会話 Let's Practice!」も聴くようになった。テキストも購入して聴いている。
この「徹底トレーニング英会話」は、コンテンツ・クリエーターの岩村圭南氏によるもので、その狙いはズバリ、「英語の筋肉を鍛えます」というものだ。“徹底トレーニング”と銘打っているだけあって、音読を中心とした実に様々な練習方法が用意されている。毎日練習するにはうってつけの教材である。
私がなぜ、この講座も聴くようになったのかというと、もっと英語を「話せる」ように練習したかったからである。最近ではリスニング力が伸びつつあることを実感できているのだが、「話す」となると、なかなかスムーズに、まとまりのあるフレーズが口から出てこない。つまり、岩村氏の言う「英語の筋肉」の鍛え方が足りないのである。そこで、この講座に従って、日常の英会話も練習していくことにした。
実を言うと、この岩村氏によるNHKラジオ英語講座を聴き始めたのは、これが初めてではない。正確な年は忘れてしまったが、数年前にも一度聴いていたことがある。その当時の講座名はその後半部分が"Let's Speak!"となっていたが、講座自体のコンセプトは当時も同じであった。つまり「英語の筋肉を鍛えます」である。たしか、この講座が初めてNHKラジオで始まったとき、岩村氏が「これは“体育会系”の講座です」といった主旨のことをテキストで述べておられたように記憶している。要するに「練習あるのみ」という講座なのである。
その体育会系の英語講座を私は数年前にも聴いていたのだが、その時には、恥ずかしいことに、長続きしなかった。それには主に次の二つの原因があったように思う。ひとつは、その当時はまだ、自分のハイエク研究において手探り状態が続いており、そちらの方を最優先せざるを得なかったことであるが、もう一つの理由は、ネイティヴ・スピーカーの英語感覚を、その当時は今ほど理解して身につけてはいなかったことである(もちろん、今でもその英語感覚を完全にマスターできたわけではないが…)。そのために、岩村氏が豊富に提供して下さっていた練習の素材を、テンポよく吸収できずにいたのである。
なぜテンポよく吸収できなかったのかというと、素材として提供されている英会話の文章の意味を、「これが何故こんな意味になるのだろう…」とか、「ここで何故この単語が使われているのだろう…」といちいち立ち止まって考え込んでしまうことが、あまりにもしばしばだったからである。
たとえば、今月号のスキットの冒頭には、こんな簡単なフレーズが載せられている:
Thanks for inviting us over for dinner, Mr. Watanabe.
(夕食に招待してくれてありがとうございます、渡辺さん)
このようなフレーズに出くわしたとき、当時の私なら、「ここで何故“over”が使われているのだろう…」と考え込んでしまっていたはずである。当時の私には、たとえばこの“over”によって加えられているニュアンスがよく分からなかったのである。それについて深く考えることなく、とにかく丸暗記してしまえ!--と思うことが私にはできなかったため、そのたびに深く考え込んでしまい、しかもその答えが分からずに終わってしまう、ということがたびたびだった。そして、それに耐えられなくなったため、結局続けられなくなってしまったのであった。
しかし、幸いなことに、今ならそれが理解できる。それは、本欄でたびたび紹介している、大西泰斗・Paul C. MacVay両氏による一連の共著のおかげである。たとえば、上記の“over”の意味を今の私が分かるのは、次の書物のおかげである:
『ネイティヴ・スピーカーの前置詞』(研究社)
皆さんもきっと、この本を読めば、この“over”に込められた意味がお分かりになるだろう。ここで私が下手に説明するよりも、その説明はこの書に譲っておきたい。
それに加えて、この over のような前置詞・副詞のコア・イメージを理解できたのは、田中茂範氏による次のNHKテレビ英語講座のおかげでもある:
「新感覚 キーワードで英会話」(NHK教育テレビ,火~金午後11:00~11:10)
ちなみに、この番組は今年の4月~9月までの放送だったが、この10月からの再放送が決定したそうである(放送曜日は一部変更)。たいへん有用な番組なので、本欄の読者の皆様にも強くお勧めしておきたい。テキストも毎月購入しておかれるとよいだろう。もうすでに、10月号が発売されているはずである。
いずれにせよ、現在の私は幸いなことに、ネイティヴ・スピーカーの英語感覚に少しでも近づくことができてきたため、岩村氏の“体育会系”の英会話練習について行くのに、苦を感じなくなっている。むしろ、練習したくてウズウズするようになっていたのが、最近の私だった。なので、今では楽しく練習できるようになっている。
もう一つ、この“体育会系”の英会話練習に喜んでついていく気になった理由としては、もしかすると、「体を動かすことの喜び」を今月になって思い出せたこともあるかもしれない(これについては、本欄の9月4日,同7日の記事をご参照下さい)。今週はちょっと、外で軽い運動をすることはできずにいるが、体を動かしたときの楽しみを今月の初めに強烈に味わえたので、「よぉし、練習するぞ!」という気持ちになりやすくなっていたのである。
そのようなわけで、今月に入って、NHKラジオ「徹底トレーニング英会話」で毎日練習している次第である。これからもコツコツ続けていきたいと思っている。
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